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登録年月 07/2004

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いろいろ

  • : 夜の帳の中で

    夜の帳の中で
    「純文学シリーズ」は、当時学生のころ「少女アリス」を自販機に追い求めて読み耽り、関東の大学のサークルの集まりでフレーズを適所で引用するようなゲームをしていた。西洋の映画、テレビドラマでシェークスピアを自在に引用してお喋りできるやつが粋、みたいな感覚だった。今思えばこそばゆい。 それはともかく、ここにまた綺麗な印刷で一冊の本になると感慨深い。後書きで、ギャク漫画家はほとんど破滅する、もっと早くシリアス漫画に目覚めていれば…のくだりはなんというか、だ。吾妻ひでおさんの作品も彼自身も私は好きだ。 (****)

  • 如月 舞: ロングドリーム―元六本木No.1キャバクラ嬢の「チャンスをつかむ」方法

    如月 舞: ロングドリーム―元六本木No.1キャバクラ嬢の「チャンスをつかむ」方法
    渋谷のブックファーストで目にとまった時、記憶が刺激された。「如月舞」というのが著者でこの名前とカバーの写真。思い出した。数年前に海祗桃花さん指名で通っていた六本木のクラブ・ザ・シーンにいた。いつぞや、お店のNo.1としてのバースデー・イベントの売り上げを聞いた時、事情に疎い自分は素直に「それってNo.1としてはどうなの?」と桃花さんに訊いたら「狂ってるよ!」との答え。それくらい売れていた。指名したことはないが、何かと目を惹き、横目で目に入る程度でも記憶に残っていた。指名客の席にやって来ても5分もそこに座っていたか、という程度で次の指名客の所へ移って行く忙しい姿。 まぁ、著者に対する思い出はそんなものだが、この本にはその彼女が生い立ちから六本木のキャバ嬢としてNo.1になり、さらにお店のオーナーになるまで、そしてそこに至るまでに得た教訓的な話が書かれている。「そういう人だったのか」とまずはそれだけで個人的には十分楽しめた。商才と向う見ずな行動力は16歳でDCのオーナーをこなしていたというエピソードでもう納得。でも似た話は当時何かで高校生の援交サークル主催者の話とか読んだ記憶があるから時代的に目の付け所は必然だったかもしれない。 No.1に至る接客の心得、それに裏打ちされてしかもそれらを具体的に緻密にこなせる行動力、どれも一流だと思う。ただ、自分の成長とサービス業の事業者としてのビジネス的成功が第一に強調されているのは置かれた(もしくは選んだ)状況に素直に適応していける女性の強さの典型と読めた。それは現世で今時の所謂「勝ち組」に至るあまりに合理的な姿ではあるのだが、へそ曲がりな自分としてはそれだけか、と全肯定しかねる気持ちが湧いてくるのは押さえ難い。本というものを鵜呑みにできるほどナイーブでもなくなっているので、どの程度の脚色があるのか、という点も気になる。 ともあれ、生い立ちから赤裸々に語る姿はいい。そこは賞賛したい。 そして、巻末に著者に寄せられた関係者の言葉はみななかなかいい。特に、クラブ・ザ・シーンで自分にヘルプとしてついてくれた女性達の名前を見るとなんだか懐かしい気分になった。 (***)

  • 宮崎 学: 万年東一 下

    宮崎 学: 万年東一 下
    上巻の最期が万年東一出征の晴れがましいシーンだったが、下巻は帰還するところから始まる。映画「兵隊やくざ」のモデルだったというところをうかがわせる型破りの兵役の時のエピソードも少し語られる。東京に戻って焼け野原を見て万年東一が衝撃を受けるシーンは妙に胸に迫って目頭が熱くなった。なぜだかわからないが。この下巻での圧巻はライカビルにキャノン中佐と児島義雄を襲い最終的にGHQから可児亘を奪還する件だろう。万年を兄貴と慕う内富、加納とこの基本的に児島との戦争を段取りするシーンからしてとても熱い。 この上下巻はほとんど通勤の電車の中で読んでいたが読んでいる間は爽快で幸福だった。読み終わりたくなかった。万年東一の千分の一もその要素が自分にあるとは思えないが、そんな自分でもこれは男だったら男として惚れる人物だと思う。 ちょっと書ききれないし、整理しきれないのでブログの方にいずれまた書いてみたい。今年はまだ半年以上残しているがすでに今年最高の本を読んでしまったような気がする。 (*****)

  • 宮崎 学: 万年東一 上

    宮崎 学: 万年東一 上
    愚連隊の神様と呼ばれた万年東一をモデルにした小説だが、これほとんどノンフィクションだろうという感じ。児島義雄は児玉義雄だよね。上海での件が豪快。 (*****)


  • 吾妻 ひでお: 失踪日記

    吾妻 ひでお: 失踪日記
    一世を風靡していた美少女を書かせては右に出る者なしという天才漫画家の「日記」。学生時代嵌りまくっていておそらく出版された本はほとんど持っていると思う。その後、アル中になったとか、失踪したとか噂には聞いていたが、これを読むとそのあたりのことがよくわかります。ギャグ漫画家なのでギャグにはなっているのですが、それが逆にとても怖い。特に、余りに悲惨で描けないことは省いた、と後書きにあるあたりはゾッとします。なぜかというと、自分の飲酒癖やなんやに明日は我が身と思わせるものがあるからなのですが・・・。 5/12 2005 のニュースによると漫画家協会賞を受賞したそうです。 (*****)

  • 藤井 厳喜: 新円切替

    藤井 厳喜: 新円切替
    国はもうどうにもならない借金をちゃらにするため、ある時期から旧札を無効にして最近出回り始めた新札のみを有効とする新円切り替えと財産税をセットで実施してくるだろうというお話し。これによって箪笥預金などは銀行で新札に交換せざるを得なくなりアングラマネーが表に出てくる。しかも財産税をとられるから100万円を換金すると新札は90万円くらいしか受け取れないのだとか。さらに、預金封鎖で預金が(ある制限のものでしか)下ろせなくするということまでやるかもしれない。庶民は勿論、生半可な金持ちも実質財産預金は0になるだろうとのこと。 土地も貯金ももない私はもともとゼロだからどうってことない、というわけにも行かないらしい。食うのに困る時代が近いのかも? (***)

  • リチャード・M・ストールマン: フリーソフトウェアと自由な社会 ―Richard M. Stallmanエッセイ集

    リチャード・M・ストールマン: フリーソフトウェアと自由な社会 ―Richard M. Stallmanエッセイ集
    GNU,フリーソフトウェア運動の旗手、ストールマン氏の講演などから数々の発言を集めた本。オープンソースとフリーソフトウェアは違う。フリーはタダを意味するのではない、自由を意味する。ソフトウェアはフリーでなければならない。著作権と特許というまったくの別ものを知的財産権とまとめて議論するのは間違いだ。などなど、頑固で一貫した強力な意思、思想、主張には感服する。 「何かのために闘え。そうでなければ、何でもないものに負けるだろう」p.151 「社会は、隣人を助けることを奨励するものであってほしい。」p.210 など、ソフトウェア問題を超えて心に響く言葉も素晴らしい。 (****)

  • 大久保 亜夜子: 奇的

    大久保 亜夜子: 奇的
    アートしている漫画?著者、大久保亜夜子の東京藝術大学先端芸術表現科の卒業展での展示で初めて目にした。浜松町から少し歩いたところにあるかつての小学校の小さな部屋での漫画のインスタレーションだった。おもしろかった。それが本にまとまって出版された。主席卒業で作品は大学が買い取ったのだそうだ。 芸術的価値は私にはよくわからないが、ただ漫画として読んでもおもしろいと思う。 (***)

  • 岩月 謙司: 男は女のどこを見るべきか

    岩月 謙司: 男は女のどこを見るべきか
    愛されて育てられた女性は女神とも天使ともなるが、そうでない女性は鬼となる。それを見分ける方法が書かれている。本書で述べられる女の「蜘蛛の巣作戦」なるものは男である私をぞっとさせる。思い起こせばそういう女だったのかというのもいる。女性と付き合っているがなんだか気分が鬱、という男性は読んでみた方が良いかも。 (***)

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2006-02-05

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